黒のタブー ― 2005年09月25日
前回記事混色しばりに加えて絵を描く上で長らく縛られていた事柄がある。それは、黒のタブーだ。
彩色で黒い画材を用いることを禁じる美術指導者は多い。理由としてよく挙げられるのは、「画面が汚れるから」だ。かわりに混色によって黒を表現するように指導される。実際に多くの画材で黒は扱いにくい色なのだが、「なるべく控えるように」ではなく「極力避けるように」求める人が多いのは、子供に混色を勧めるの同様、色彩感覚や混色技術の訓練の一環として自力で黒っぽさを作らせるように仕向けているためでもあるようだ。
そしてもうひとつ、黒い彩色画材がタブー視される理由がある。それは、人物を描くときに髪や瞳を無条件に黒く塗ってしまう人が多いからだ。人物写生をするときには、「日本人の髪や目もよく観察すれば必ずしも真っ黒ではない。見もせず黒く塗らないで、しっかり観察して色を見極めるように。」といった指導を何度も受けた。言われてみれば学齢期前に描かされたクレヨン画では、当たり前に黒で髪や目を描いていた。
CGによる描画で混色しばりが解けるのと平行して、黒のタブーもほとんど解けた。CGならいくら黒を使っても、こすれて汚れることはない。CGソフトを初めて買ったときは、珍しがって黒地の絵ばかり描いたものだ。しかしながら依然として、髪や瞳を真っ黒で描くことには抵抗が残っている。観察を怠ってステレオタイプに陥っているのではないか?と自問してしまう。空想で描くファンタジー画でさえも。
海外で日本のアニメキャラクターがとんでもない髪の色をしていることが不思議がられているという記事を何かで読んだが、案外デザイン的な理由の他に、無意識の自戒が髪色にバリエーションを呼んでいるのではないかと勝手に想像している。
彩色で黒い画材を用いることを禁じる美術指導者は多い。理由としてよく挙げられるのは、「画面が汚れるから」だ。かわりに混色によって黒を表現するように指導される。実際に多くの画材で黒は扱いにくい色なのだが、「なるべく控えるように」ではなく「極力避けるように」求める人が多いのは、子供に混色を勧めるの同様、色彩感覚や混色技術の訓練の一環として自力で黒っぽさを作らせるように仕向けているためでもあるようだ。
そしてもうひとつ、黒い彩色画材がタブー視される理由がある。それは、人物を描くときに髪や瞳を無条件に黒く塗ってしまう人が多いからだ。人物写生をするときには、「日本人の髪や目もよく観察すれば必ずしも真っ黒ではない。見もせず黒く塗らないで、しっかり観察して色を見極めるように。」といった指導を何度も受けた。言われてみれば学齢期前に描かされたクレヨン画では、当たり前に黒で髪や目を描いていた。
CGによる描画で混色しばりが解けるのと平行して、黒のタブーもほとんど解けた。CGならいくら黒を使っても、こすれて汚れることはない。CGソフトを初めて買ったときは、珍しがって黒地の絵ばかり描いたものだ。しかしながら依然として、髪や瞳を真っ黒で描くことには抵抗が残っている。観察を怠ってステレオタイプに陥っているのではないか?と自問してしまう。空想で描くファンタジー画でさえも。
海外で日本のアニメキャラクターがとんでもない髪の色をしていることが不思議がられているという記事を何かで読んだが、案外デザイン的な理由の他に、無意識の自戒が髪色にバリエーションを呼んでいるのではないかと勝手に想像している。